2016年9月16日金曜日

高橋君のフレーム製作編 『フレームの小物の取り付け』

10回目の投稿をします。高橋です。
今回は『フレームの前三角の仮付け』までを投稿します。

前三角を仮付けの準備をします。

治具を設計図の通りに設定し、BBを仮付けしてあるシートチューブ、ヘッドチューブをセットします。



フレーム用の治具にセットします。




トップチューブとダウンチューブは大まかに長さを合わせていますが、まだ接合するパイプとは隙間があります。


パイプの接合部の一部に隙間がある場合、ロウ付けする時に隙間がある方にロウが多く入ります。ロウが冷えると隙間が小さい方に比べて、ロウの熱収縮が大きくなるので、隙間が大きい方に引き寄せられてしまいます。


接合部では、収縮幅は小さいですが、パイプの反対の端部では、大きく動いてしまい、フレームが歪んでしまいます。

パイプが動いてしまうと、フレームの精度が下がってしまうので、極力隙間を少なくします。


まず、トップチューブの隙間を無くすために、断面を整えていきます。


ヘッドチューブとシートチューブにトップチューブを当ててみて、接合部を見て隙間があるか確認します。 




ヘッドチューブとトップチューブの隙間をなくします。




隙間があるようならば、隙間がない方を少し削ります。

再度、トップチューブを当てて隙間を確認します。
ある程度隙間がなくなるまで繰り返します。


ある程度隙間がなくなったら、次はトップチューブをパイプを捻ってみます。
まだ隙間があれば、カタカタと動くと思います。

カタカタ動くようならば、どこを支点に回るかを確認して、支点の部分を削ります。
再度、トップチューブを当てて、カタカタと動かなくなるまで、繰り返します。

これでピッタリと接合しているはずです。
ダウンチューブを同じ要領で、微調整します。



BBとダウンチューブの隙間




次にヘッドチューブ、シートチューブ、BBに水抜き穴を開けます。

水抜き穴は、雨などで、フレーム内に入ってしまった水を抜く他に、塗装や、メッキを施す際に薬液がスムーズに抜けるようにします。

また、水抜き穴を大きく取ることでフレームを軽くすることも出来ます。


どちらもピッタリと接合したら、トップチューブとダウンチューブが当たる部分にマーキングをします。 







マーキングした箇所の中心にポンチを打って、水抜き穴を開けます。

ヘッドチューブ−トップチューブ φ10mm
ヘッドチューブ−ダウンチューブ φ10mm
シートチューブ−トップチューブ φ8mm
ダウンチューブ−BB φ10mm


水抜き穴のバリを取ったら、仮付けを行います。

パイプのロウ付け箇所をキレイにし、脱脂をしたうえで、フラックスを付けて仮付けます。

パイプはロウ付けをした方に動きますので、先に上側を仮付けすると、ロウ付けした反対側もロウ付け箇所を支点に上に動きます。


シートチューブ−トップチューブの接合部の上側を仮付けするとヘッドチューブ側では、トップチューブが上に動こうとしますが、ヘッドチューブは治具で固定されているので、トップチューブはそれ以上は上に動けなくなり、パイプが動くのを最小限にする事が出来るはずです。


パイプの動きを最小限にするために仮付けの順番を考えます。


フレームの仮付けは以下の順で行います 








仮付けの時はロウをぼってりと乗せます。 



ぼってり。



ロウの量が少ないと、修正している時に、仮付けしたロウが割れてパイプが取れてしまうので、注意します。

仮付けが終わり、パイプが冷えたら、治具から降ろして、定盤でフレームの精度を確かめます。 


定盤にセットしました。


BYOB Factory に設置されている定盤にはヘッドチューブを固定する治具がセットされていて、各パイプの中心線が定盤から120mmになるように、設定されています。


ヘッドチューブとBBを基準にしているため、シートチューブの先端が一番動きやすいので、シートチューブ先端の高さを確認します。


パイプの中心が120mmに設定されていますが、実際に計測するのは定盤に設置したパイプの上側の頂点なので、パイプの半径分プラスした値を基準にします。


シートチューブの場合は、

120+(28.6÷2)=134.3mm 

となるので、シートチューブが定盤から134.3mmにあればパイプの中心は120mmにあることになります。

134.3mmよりも上下していたら、BBを固定し、パイプを修正します。

仮付けの状態では、簡単に動くので、ロウ付け前に、修正しておきます。

フレームの修正が終わったら、仮付けは終了です。

次回は『前三角のロウ付け』まで投稿します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

高橋


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